シリーズとして、勝つ営業、成果の出る営業になるためにSPS『SalesPerformance System』を過去2回に亘り紹介した。今回は、①『課題の特定』・・SSR(営業スキル調査)を活用し、営業担当者や組織の傾向、問題や課題を特定する。。。を再度採り上げ、営業スキルの中でも重要で、次の訪問につなげるための“面談の締めくくり”のスキルを考えてみたい。
SSR(営業スキル調査)を実施する中で、どの業種、会社にもスキルレベルの低い傾向として目立つものが、各プロセスにおける面談の締めくくりのスキルである。確実に次の訪問のアポイントをとるためには、次回訪問の目的をお客様と合意することは当たり前であるが、忘れがちなことが、その日の面談内容を確認して帰ることや、お客様の契約や購入の意思があるかどうかを確認せず、曖昧なままにして面談を終了することである。特に「問題の共有」「提案の説明」で必要な“面談の締めくくり”のスキルが不足している点にある。
SSR(営業スキル調査)は4つのプロセスに必要なスキルを14問の設問で実施するが、特に重要な「問題の共有」での面談の締めくくりは“要約して聴き取る”“問題の共有”のスキルである。営業担当者からの質問や話を促したり、お客様の答えに対するメモを取りながらのやりとりは問題ないだろうが、そのやり取りのポイントを確認して帰る営業担当者はどの位いるだろうか?帰り際に“今日の内容を確認させて頂いてよろしいですか?”と、お客様とのやり取りを振り返る作業はできているだろうか?次回の提案が的外れにならないためには、この“問題の共有”のスキルが欠かせないのである。もっと言えば、お客様も思考しながらの返答なので、お客様の言いたいことの理解が正しいかどうかの確認にもなるのでかなり有効である。
次に不足傾向が目立つスキルが、「提案の説明」での“面談の締めくくり”、スキルは“決断を促す”である。これは営業担当者としては、やや緊張する場面ではあるが、お客様の契約や購入意思を確認する作業は営業担当者の役割である。ストレートにやるかやらないかを聴くことには抵抗があるかもしれないが、“話を要約する”ことや“選択させる”ことは、意識すれば容易に質問できることである。その質問によって、お客様の意思の確認になり、営業担当者としては、次に打つ手が明確に見えてくる。以上のように、“面談の締めくくり”のスキルが次の訪問(面談)の質を上げ、よりお客様のニーズにフィットしヒット率向上につながる。
SSR(営業スキル調査)では、このようなスキルレベルの傾向と向上策や改善策を個別具体的に提示してくれる。客観的に自らの営業スキルの課題が見つかれば、お客様の前で示す言動が変わってくるのではないだろうか。
(パフォーマンス・コンサルタント 菊池政司)