2012年11月 “研修の内製化が進んでいます。目的は達成できていますか?”

 2013年度の新卒採用活動もほぼ終了し、人事・採用担当部門では内定者の引き留めに様々な方法や手段が練られている。弊社でも今年度は8月の時点で内定者研修を一部お手伝いした。雇用環境が厳しい中でも、2013年度採用は予想以上に内定辞退者が多いとも聞く。採用担当者がターゲットとする学生は目的意識が明確なのか、厳しい環境もなんのその、どの企業からでも引く手数多なのは当然であろう。

 人事担当者にとって、来年4月は瞬く間にやってくる。12月からは2014年度採用もスタートし、年間で最も忙しい時期に突入する。採用活動をスタートさせながら、並行して2013年度採用予定者の内定者研修~新入社員研修~フォローアップ研修と、企画・運営の準備に早い段階から着手しておきたいものである。ギリギリになっては検討に余裕がなく、環境が変わっているのにも関わらず、結果的に昨年同様の内容で消化してしまう可能性がある。

  さて、研修を企画・運営する際、研修担当者としては、どんな点に苦労しているのだろうか。予想される問題として、

 ●「ビジネス環境が大きく変化する中、中期経営計画や基本方針に沿って新たな企画や内容の見直しが必要だが、何から手をつけて              良いのかわからない」

 ●「研修効果を期待されるが、現場で役立つ実践的な内容になっていない」・・・等。

 ついつい手段が先行してしまうと、アレもコレもと(項目の)つぎはぎ研修になってしまい、最終的に研修目的(ねらい)が達成できないことが多くある。最悪は「何がやりたいのか、何のための練習なのか・・・」と、経験と結びつかずに参加者を迷わせてしまうことである。

  そこで研修内容の企画・組み立てをする際に道標となる4MATシステム(モデル)を紹介する。これは研修目的や時間に合わせてコースデザインの全体像を決める、いわば研修の流れを構築するモデルである。4MATとは、①経験学習「経験・振り返り」 ②概念形成「動機付け・理論」 ③練習と修得「簡単な練習・本格的な練習」 ④計画と実践「実践への準備・実践」である。

 例えば、講義の時間をどのくらい設定するか、ゲームトレーニングが必要か、グループ討議は何を目的にアウトプットするか等、時間配分の難しさや目的と手段が一致していないことを感じる方も多いのではないだろうか。

 この4MATを手掛かりに内容を構成していくことで、それぞれの項目の目的が明確になり、研修の目的・目標を達成するためのコースデザインを開発することができるようになる。参加者に気づきを与え、実践に結びつけることができるようになる。 

 

 

 2月・3月に慌てなくて済むよう、是非早い段階から準備を行い、効果的な研修の企画・運営ができることを期待したい。

 4MATシステムの詳細は、ラーニング・スタイル・セミナーでご体験いただけます。  

                                                       (パフォーマンス・コンサルタント 菊池政司)