先般、腰の手術で入院した。正確には「腰椎除圧変動術」手術で4番目、5番目の腰椎に、5cmのネジをそれぞれ2本ずつ打ち、ボルトで繋ぐ手術。1カ月の入院、その後また1カ月の自宅療養だったが、多くの方に見舞いにきてもらった。その数65人。ありがたい限りである。そして、ほぼ全ての方から頂いた言葉が“無理をするな”。ドクターが言う“無理をするな”は、「曲げない、反らない、捻じらない。重いものを持たない」という警告で、即行動に移せる。他方、見舞客からの“無理をするな”は、心配と優しさから発せられた心くばりの言葉で、まさに有難く、感謝に堪えない言葉であるが、行動には移せない・・・。
では、「無理をしない」とは、何をすることなのだろうか?とベッドに横たわりながら考えた。それは3つ。
① 「着手を早くする」 早く手をつければ、ゆっくりと進めることができ、かつ十分に時間をかけて検討することもできるし修正もきく。着手が遅れると納期に追われ無理をすることになる。しかも、やっつけ仕事になり品質も劣る。そのためには、先のゴール(ビジョン)を早く決めなければならない。
② 「絞り込む」 多くのことを手掛けるのではなく絞り込む、重要なことを行う。特に、好きなこと、ワクワクすること、面白いことを行う。嫌なことはしない。嫌いな奴とは付き合わない。そのためには、何が重要、何が大事、何が好き、かを明確にし、公言する。
③ 「お願する、一緒にやる」 一人で完結しようとせず、手助けが欲しいときは“助けて!”とお願いする。さらにヘルパーを主役にして、こちらがヘルプに回り、一緒にやる。そのためには、“夢”を共有する。
“ちょっとだけ無理をして生きる”が、私の信条である(作家の城山三郎は“少しだけ無理をして生きる”)。もし今日が、昨日に1%上乗せしたものであるならば、単利計算でも1年間で365%アップする。0.1%上乗せしても36.5%アップであり、約4割も向上する。そして、ありたい姿に近づき、凜として生きる。
しかし、齢60を越えた今、この“無理”も、程度、スピード、やり方を変えなければいけないようにも感じている・・・。
ラーニング・システムズ株式会社
代表取締役社長 高原 要次