先般、ベトナムを旅した。夫婦で、途中長男も合流しての8日間の縦断旅行。最も驚いたのはオートバイの大群、最も気に入ったのがBIA HOI HANOIというビヤホール(居酒屋)、最も違和感を感じたのは「ベトナム戦争証跡博物館」で陳列された戦車やヘリコプターを、アメリカ人の若者とベトナムの中学生が一緒に見学している姿。そして、国の“活気”を肌で感じた。
ベトナムの面積は33万平方キロ(日本は37万平方キロ)、人口は約9,500万人(日本は1億2,700万人)で、ちょうど日本を一回り小さくした国の大きさである。ただし、平均年齢(正確には中央年齢)は29.8才、日本は45.9才で世界1位である。さらに、ベトナムの経済成長率は少し鈍化したとは言うものの2016年は6.21%、日本は1.03%である。
町中に若者が溢れ、2人乗り3人乗りのバイクが大群をなして走り、ビルの建設ラッシュ、ホーチミン市では地下鉄工事が始まっている。国名は、ベトナム社会主義共和国であるから共産主義国家のはずだが、実態は資本主義で競争社会、日本からも多くの企業が進出し製品を作っている。
我々が旅した一週間後に中部の都市ダナンで、APEC(アジア太平洋経済協力)の首脳会議が開かれた。このダナンの町だけで5つ星ホテルが43軒あり、国際会議は勿論世界の富豪たちがリゾートに来るそうな・・・。
翻って日本、この20年間GDP(国内総生産)は500兆円代で横ばい。2010年には中国に抜かれて世界第3位になったが、いまや中国のGDPは日本の3倍、これからますますその差は広がる。アジアの金融センターは既にシンガポールに移り、世界企業の東アジア拠点は東京ではなくシンガポールになっている。
更に嘆かわしいのは、日本の教育水準。例えば、世界大学ランキング(2018年)を見てみると、アジアのトップはシンガポール国立大学で22位、中国の北京大学が27位、清華大学が30位、東京大学は7つランクを下げて46位である。因みに200位以内に中国は7校、日本は東京大学と京都大学の2校のみである。
“広がるアジア、縮む日本”、この国の明日が心配・・・、胸が痛む。
ラーニング・システムズ株式会社
代表取締役社長 高原 要次