先日、仲間七人で母校の大学に乗り込み、押しかけ講座を行った。「キャリア支援セミナー“がんばれ〇〇大学生”」というタイトルであった。企業の経営者や行政機関の長である我々七人が、後輩たちに私見を述べ、その後彼らと車座で対話するのである。双方にとって、刺激のある学び多き時間であった。
「我々は、正しいことを言うわけではない、正しいと思うことを言うのである。我々自身が、経験し自分なりに辿り着いた考えの中から、諸君が学生生活を送るにあたって、就職に際して、これからの人生で、ヒントになるであろうことを話す。あとは自分自身で考えろ」というメッセージで始まり、各人のキャリア紹介を経て、“仕事への心構え”、“グローバル人材”、“地域貢献”、“ダイバーシティ”、“学びとは・・・”が第一部。場所を変え講師を囲んで車座になり、“講師の失敗談”、“就職や進路の悩みに関するアドバイス”を行うのが第二部。再度全体で集い、“わが社は、こんな学生が欲しい”、“〇〇大学の学生への期待と提言”と就職にフォーカスした部分が第三部。そして最後のメッセージは“しっかり学べ!”、“トライしろ(やってみろ)!”、“気概を持て!”という内容であった。
ことの発端は、我々が学生に危惧する“答えを教えて下さいシンドローム”である。教科書を記憶することを「勉強する」と言い、〇×式で答え合わせをしてきた弊害である。重要なことは、“考える力”を養うことであり、“判断力”を身に付けることである。そうでなければ、ビジネス世界ではアウトプットが出せない。このことを言うために、我々七人は母校に乗り込み、手弁当でセミナーを行ったのである。
ハーバード大学のマイケル・サンデル教授が言っているが、“最高の教育とは、自分自身でいかに考えるかを、学ぶことである“。そして、我々七人は言う“人は人で磨かれる、人は仕事で磨かれる”と。
ラーニング・システムズ株式会社
代表取締役社長 高原 要次
マイケル・サンデル教授