2016年6月 “野菜つくり7年目”

 義母が他界して7年経ちました。季節ごとに栽培する野菜はあまり変わりません。義母の時と違うのは、珍しい作物に挑戦したり、同じ野菜でも品種を変えたり、マルチ栽培(土の表面を有機物やポリエチレンフィルムで覆うやり方)で育てる野菜が増えたことです。マルチ栽培は、保湿・地温上昇の抑制・雑草の抑制・雨などによる泥はね防止など、優れた効果がたくさんあって、私も昨年から利用して楽しんでいます。

  一人前になってきた訳ではありません。初心者にも栽培方法が簡単だという理由で勧め、今まで数もたくさん作っていた玉ねぎが、病気にやられてしまいました。赤や白の苗を11月末に植付けしましたが、葉っぱに褐色の病斑が出来る病気に初めて罹ってしまいました。放っておくと植物全体が茶色く変色して枯れてしまうそうです。秋植えタマネギでは、この病気は、4月上旬に以降に発生するようです。我が家だけかと思っていましたが、遅れて隣の家の畑やご近所の畑でも見られるようになりました。そして今年は多くの畑で同じような症状の病気になったと聞きました。これは私の技術不足だけではないようです。ことしは寒暖の差がある日が多かったり、雨が多かったりで、例年の同じ時期より高温多湿になる状況を作りやすくしたようです。

  タマネギの原産地は、中央アジアです。

 栽培の歴史は古く、紀元前から行われているようです。古代エジプトでは、食用として食べるほか、悪魔除けとして、外に吊るしたり、棺に入れたりと、さまざまな使われ方をしていました。ヨーロッパでも、その風習が伝わっていて、コレラ流行時には、タマネギを外に吊るしていたと言われています。日本には、江戸時代に、南蛮船より渡来しましたが、食べられるようになったのは、明治時代になってからと言われています。

  タマネギに限らず、野菜にはそれぞれ病気が発生します。野菜の病気は、人間に害があるものではないので、食べられるとの事で安心しましたが、赤玉ねぎは例年より一回り小さく、白玉ねぎは肥大せず、小さいままで成長が止まりました。病気が発生する時、環境の変化がどのように作用するのか、野菜によって違うのであれば、成長にあった管理がこれからの課題です。なかなか思うようにいかないものです。

 今回の事で、我が家では消費量の多いタマネギの栽培管理について、再認識する良い機会になったと思っています。 (原口佳子)