2016年2月 ストレスフリーの仕事術 『GTD® 』を実践する

 2014年7月に紹介した“ストレスから解放され、高い生産性を維持するための解決策”GTD®(Getting Things Done)ストレスフリーの仕事術に興味をお持ちの方は意外に多い。『GTD JAPAN』(弊社ホームページのGTDバナーにアクセスしてください。)のホームページには、税理士や会計士といった言わば○○士という有資格者からのアクセスが増えている。次から次に発生する複数の仕事を常に同時進行で片付ける仕事に携わる方が、ストレスから解放され、生産性を落とさずに仕事をこなしてく方法を探していることが伝わってくる。

 GTD® セミナ-への関心と参加者が徐々に増えている中、参加者個々の興味と学ぶ姿勢は大変高い。受講後の課題はとにかく実践し、体験し、リラックス状態を実感してみることである。

 GTD®には、2Minutes 2Days 2Years というパラドックスがある。GTD®の説明だけは2分間あればできる。しかし、実践する準備には2日かかる。さらに、習慣化し、自分のものになるためには2年の実践期間が必要である、という意味である。そのくらいとことん実践しなければ現状から脱しきれず、仕事の取り組み方を大きく変えることはできない。

 実践するために、もう一度ワークフローを整理すると、

   ●把握する: 新たに発生する仕事、気になる事をすべて集めて把握する 。

  ●見極める: 行動が必要なものかどうか、どのように行動するかを見極める。

  ●整理する: いつでも行動または処理できるように、整理しておく。

  ●更新する: 定期的に最新の状態に、収集~収納するまでを行う。

  ●選択する: 状況、優先順位に合わせて最適な行動・処理を選択する。

 

 まず「把握する」時に、本来であれば仕事もプライベートもすべて把握する必要があるが、その時間がなく、なかなか一歩が踏み出せない方もいるのではないだろうか。私もそうであるが、まずは“仕事”のみ「把握する」から始めてもよい。あるいは1つの気になっている仕事のみから始めるのもよい。とにかくやってみることを進める。まず気になることをすべて1つの箱“インボックス”を用意してみよう。次に「見極める」作業で混乱するケースもある。“次にとるべき行動”を次の次、さらに次と、行動のステップ全てを書き出してしまい、ゴールまでの全体を把握しようとして見極められなくなるケースである。大切なことは“次にとるべき行動のみ”で構わない。その行動の結果次第で次にとるべき行動が変わる可能性があるからである。但し、同時進行で行動できるもの(マルチステップ)はすべて書き出しておくことは必要である。あとはその行動をどこにおいて(ファイルやパソコン、スマートホンに入れて)「整理する」か、ということである。まずは、ここまでを実践してみる。そして、「更新する」を忘れないことである。

 

 GTD® を実践するメリットは以下のように3つある。

  ①発生ベースの仕事の割合が、事前に明確に(計画)された仕事の割合にシフトできる

  ②「気になること」がすべて見える状態で管理され、ストレスから解放される

  ③何よりも仕事が片付いていくことに喜びを感じることができる

   「ストレスフリーの整理術」も是非、ご一読ください。

 

                                                       (パフォーマンス・コンサルタント 菊池政司)