それを変えるだけの勇気をわれわれに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵をあたえたまえ。”
これは、米国の神学者ラインホルド・ニーバーの作とされる“Serenity Prayer”を、彼の弟子である大木秀雄が訳したものである。
今日(2012年12月27日)、第二次安倍内閣が発足した。3年3ヶ月ぶりに自民党が政権に復帰し、この国の舵取りを担うことにな った。歴史として、未来から今をみた時、この3年3ヶ月が大きなエポックになり、その後の日本の曲がり角になった、と記述されるのではないだろうか。
3年3ヶ月前、多くの国民が変化を望み、国の将来を方向付ける前提としての基本的な考えが異なる政党(民主党)が変革を唱えて、政権交代が起った。そしてこの国をデザインし、運営したが、国防、外交、エネルギー、震災復興、そして経済、国の根幹を担う問題・課題の解決能力がないことを露呈し、行き詰まった。
またまた多くの国民が変化を望み、別の政党(自民党)が変革を唱えて復権し、異なる政治が今、始まろうとしている。
単に元に戻ったのでは、文字通り意味がない。この不連続な3年3ヶ月を「大きな学習」として、冒頭の“ニーバーの祈り”の如く、国として「変えるもの」と「変えないもの」を明確にして、“この国のかたち”を整えなければ、日本の将来は危うい。
ニーバーはまた、現実的な神学者でもあり次のようなメッセージも残している。
“正義を取り扱うことのできる人間の能力が民主主義を可能にする。
しかし、
不正義に陥りがちな人間の傾向が民主主義を必要とする。”と。
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