2012年6月”サラマンカの想い出”

  

2003年の春、まだ肌寒いスペインに行く機会がありました。行きたい国でもあったのですが、息子が留学で滞在しているサラマンカという都市を訪ねるのが目的でした。

サラマンカはマドリードから北西へバスで2時間半ほどの場所にある古都です。そしてここには旧市街とともにユネスコの世界遺産にも登録されている“サラマンカ大学”があります。

1218年に設立され、現存するスペイン最古の大学です。日本ではその頃は鎌倉時代です。約800年の歴史があるのにはびっくりしました。

16世紀の大航海時代には航海計画が綿密に練られた場所にもなっています。

サラマンカの街を歩いて気付いたのが、お土産品に“カエル(蛙)”をモチーフにした商品が多いと言うことです。「え?どうして蛙?」と不思議でしたが答えは大学の正面玄関にありました。建物にはたくさんの美しく細かな彫刻の装飾が施されていますが、その中のどこかに

“蛙”の彫刻があるのです。そしてそれを見つけると 学業が成就すると言われているとか。ですから玄関の前では多くの観光客が必死にこの“蛙”の居場所を捜していました。私も同じように捜しましたが、なかなか簡単に見つけられず、こっそり教えて貰いました。

スペインには、サラマンカ以外にも世界的に有名な観光場所が多く存在します。

バルセロナには「サグラダファミリア」、ガウディがデザインした「グエル公園」や代表的建築物「カサ・ミラ」、そしてグラナダにはイスラム芸術の最高峰「アルハンブラ宮殿」等....

 

日本の大学で秋の入学を検討していますが、確か息子がサラマンカ大学に入学したのも秋でした。

現在も世界各地から多くの学生がこのサラマンカに来るそうです。文化は勿論、最も美しいスペイン語が学べるのも人気の秘密なのだと思います。外国を訪れて文化の違いとかを新鮮な感覚で吸収するのは若人の特権かも知れません。

 家ではゆっくり過ごすことがないのだからと息子は私にペースを合わせてくれました。サラマンカは治安が安定しているので日本のように安心して散策した事を覚えています。案内されながら美しい建築物を鑑賞したり、買い物をした有意義で楽しい時間は今でも忘れられません。

(原口佳子)