ラーニング・フォーラム2011ご報告

ラーニング・フォーラム2011を開催いたしました。
多くのお客様にご参加いただき、好評の後に終了することができました。ご参加の皆様、御講演頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。内容について報告いたします。

開 催 日 2011年9月20日(火)
開催場所 福岡国際会議場 501会議室
講 師・スピーカー 元広島東洋カープ 衣笠 祥雄さま 

株式会社安川電機 人事総務部 キャリア開発グループ長 目原 弘一さま

学校法人福岡雙葉学園 中学・高等学校校長 大林 興一さま

NPO法人市村自然塾九州 塾頭 高瀬 雅宏さま

音 楽 HARU

13:00~ オープニング〜ラーニング・システムズ株式会社 代表取締役社長 高原 要次

オープニング〜ラーニング・システムズ株式会社 代表取締役社長 高原 要次●ラーニング・システムズが最も大切にしていること
企業理念“学習を通して成長し、人の役に立ち、人生を楽しむ” 

●14年間のラーニング・フォーラムにおけるテーマ
「成長曲線」明日は今日の連続ではない。3.11以降誰しもが実感している。昨日のことを懸命に行い、明日につながるか?

「学習する組織」新たな明日を創るには“学習”が必要。学習し続けないと、人も組織も変化に対応できない。

●“次世代の人づくり”学びと志で新しい明日を創る
・プロ野球の世界で勝ち続け、2215試合連続出場を達成した衣笠選手。長い間強い選手でいる為に、何を考えどう行動したのか、鉄人衣笠から学ぶ。
・ビジネス、学校教育、子供たち、という3つの視点で次世代の育成を考える。
・「一樹百穫」・・・一樹一穫は穀なり、一樹十穫は木なり、一樹百穫は人なり。百年の計は、人を樹ゆるに如かず。

“人づくり”が大切である。百年で収穫ということは次世代を育てることが「一樹百穫」である。

13:15~ 講演「限りなき挑戦~(あす)を信じて~」 元広島東洋カープ 衣笠 祥雄さま

講演「限りなき挑戦~(あす)を信じて~」 元広島東洋カープ 衣笠 祥雄さま野球は「人」がやっているから面白い。人は変わる、数年後は全く違う人間になっているかもしれない。人間は、周りの意見を聴き学び続けることで、常に変わっていく生き物である。以前よりも上手くなりたい、じゃあどうすれば良いか考える選手は強くなる。

23年間の野球人生において「喜びを知らないチーム」「勝つためのチーム」の2つのチームを経験した。

「喜びを知らないチーム」
勝つための方法論を知らない。試合の途中で「もう、勝てない」と諦めてしまうチーム。

「勝つためのチーム」
優勝という目標を持ち、何をすれば勝てるかを全員で共有しているチーム。諦めないチーム。

講演「限りなき挑戦~(あす)を信じて~」 元広島東洋カープ 衣笠 祥雄さましかし、「勝つためのチーム」もいつまでも同じチームで同じ選手が変わらずにプレイするわけではない。組織は生き物である、同じところに留まるのは負けを意味する。「勝ち続けるチーム」は、最高の力を出すためにチーム全員で考えることができるチームである。

 

プロ野球は選手を育てる場であり、そこには3つのポジションがある。
監督・・結果が求められる。チームの考え方を統一し、周りに伝え共有する。こういう野球をする、そして優勝すると言い切り、決断する。

コーチ・・一人一人の能力を見抜き、正しい練習、その方法を選手それぞれに響く言葉で伝えることが求められる。また、夢を語り選手をその気にさせるプレゼン能力が必要。

選手・・結果が求められる。自分に向けられた期待を理解し、そのためにどうすべきか考え、ひたすらに練習すること。勝つために「食べる」「睡眠」「休息」「練習」を正しくかつ最優先に取り組む。

講演「限りなき挑戦~(あす)を信じて~」 元広島東洋カープ 衣笠 祥雄さま私自身は、あるコーチと出会ったことで「チームに必要なことは何か、そのために自分ができることは何か、セールスポイントは何か」を考え、長打力を磨き上げた。チャンスをもらった際、過去の経験から打席に立つことへの怖さがあったが、「なぜ毎日練習するのか、結果を出すためだ」と思うことで怖さはなくなり、今までの練習は間違いではなかったと自信がついた。

初めてのホームランは、なぜ打てたのかが今でも説明できる。

野球に教えてもらったことは「あきらめない」「結果を出すための準備の重要さ」「今日できること今日やる」ことである。1日1日の積み重ねが後悔しない人生へとつながっている。

14:45~ リレートーク「明日を担う“人づくり”」

「ビジネス」「学校教育」「子供たち」3つの視点で、次世代の育成についてリレートーク形式で考える。テーマは「学び」と「志」。

リレートーク「明日を担う“人づくり”」

●「当社における人材育成の取り組み―ビジネスのグローバル化が加速する中で―」
株式会社安川電機 人事総務部キャリア開発グループ長 目原 弘一さま

グローバル化が進む業界において、安川電機は2015年、創業100周年を迎える。現在の人材育成については、「技術に堪能なる士君子だれ」「一片牙籌に安んせざるの志」「至誠通天」という創業者の志を踏まえ、社長の思い、社憲、経営理念、行動指針から求める人材像を定めている。

「育とう育てよう」という風土のもと、グローバル人材の育成を始めている。「ヒューマンスキル」「ビジネススキル」「コミュニケーションスキル」「コンセプチュアルスキル」のバランスが取れた人材を育成することを狙いとしている。方法として「グローバルリーダー候補の育成」「海外現地法人実習」「現地法人ローカルコア人材の育成」などに取り組んでいる。

今後は「開発力、生産力、販売力の継続的進化につながる取り組み」「新興国ビジネスに対応できる人材の育成・確保」「グローバルシフトに伴う支援体制進化」が課題である。変化への適応力をいかに高めていけるか、が最も重要。

 

●「グローバル・シティズンの育成」 学校法人福岡雙葉学園 中学・高等学校校長 大林 興一さま
“子どもは、親が生きたことがない時代を生きていく”。いま求められる教育とは何か。
日本だけの価値観ではこの変化し続ける、かつグローバル化が進む世の中で生きていくことは困難である。これからは「地球社会の一員を自覚し、神の恵みに感謝し、行動できる人」つまり“グローバル・シティズン”を教育方針として育成していくことが重要だ。

福岡雙葉学園では、グローバル・シティズンに基づいた6年間の一貫教育、「高い学力」「志の教育」「学力・コミュニケーション能力の教育」「心と品性の教育」を教育の柱とし学年に応じた重層教育を行っている。中でも「志の教育」は特に重視しており、「卒業して10年先までには自分の基盤をつくりなさい、自分が熱中できるものを探しなさい」と教えている。未来から見て、今現在自分が何をすべきか、自分自身で考え未来を切り拓いてほしい。
来春には新校舎が完成し、新たなクラスも新設する。学力だけではなく、人生の迷いを自力で解決できるためにも「志」の教育、」新たな時代に合わせた教育へ挑戦し続けたい。

 

●「生きる力を大地から学ぶ」 NPO法人市村自然塾九州 塾頭 高瀬 雅宏さま
2003年の設立以来「生きる力を大地から学ぶ」を基本理念とし活動している。「農業体験」「自然体験」「共同生活」の活動を通し健全な青年の成長をサポートしている。いまの時代、能率・効率が重視されているが、子供の成長や育成において果たしてそれが良いことなのであろうか。自然を相手にすると、欲しいと思ってもすぐには手に入らない。待つことが大切で、待つからこそ新鮮な感動が得られ、学びも大きいと考えている。コツコツ育てる、という
テンポを大切にしている。

市村自然塾では、『子供たちの「自主」「自律」「自立」』を運営の基本方針とし子供自らが、考え行動する中から体得できるようにサポートしている。「指示しすぎず、命令しすぎず、教えすぎず、世話を焼きすぎず」のスタンスをとり、子供たちの気づきを大切にしている。
子供たちの作文には「挨拶の本当の意味」「本当の友人」「命の大切さ」など、入塾前といま、自分自身の変化について、気づいて行動がどのように変わったかが書いてあった。挨拶の重要性など、親も子供から学んでいる。子供は時間は掛かるが必ずできる、大人は先回りをせず待つことが重要。

「最高の教育とは、いかに考えるかを学ぶことだ」。白熱教室で知られるM.サンデル教授の言葉にあるように、次世代の育成には、彼ら自身が「考え」「学ぶ」こと、ただし「志」を持っていることを前提として。
様々な視点でのスピーカーの話は、今後の教育について改めて考えるきっかけを与えてくれた。

16:20~ ラーニング・システムズから3つの提言
ラーニング・システムズ株式会社 パフォマンス・コンサルタント 菊池 政司

ラーニング・システムズ株式会社 パフォマンス・コンサルタント 菊池 政司ラーニング・システムズから3つの提言および近況について事例を交えて紹介。

●MBD管理者行動診断
「部下の充実感を伴った生産性を上げる」ための管理者に求められる行動を3カテゴリ。11のコンピテンシーで測定し把握する。会社全体、優秀・非優秀管理者、職位年数比較などを測定し今後の会社および管理者の成長に役立てる。

●お客様調査による営業力診断
お客様から見た実際の営業力の現状を判断する。会社全体、製品、営業担当者という3つの視点において営業力の現状を把握することで、お客様とのギャップが分かり強化ポイントがつかめる。

●ActionT.C
研修内容を現場で実践し成果につなげていくためのツール。WEB上で参加者同士でフィードバックしあい、個人・集団の行動変容につなげる。PDCF(フィードバック)Aサイクル実践のためのシステム。周囲のサポートと仕組みを整えることで、目標達成につながりやすい。

今回紹介した能力アセスメントを含め、様々な分野で課題解決のためのお手伝いをしたい。
熊本鹿児島での説明会に加え、公開講座、特にビジネス上で自身の武器になる内容の公開講座を充実させている。これからもお客様の学びや成長のお手伝いができればと思う。

16:55~ Concert“心にとどけ、フォルクローレの響きを” HARU

Concert“心にとどけ、フォルクローレの響きを” HARU雄大な大地を感じさせるケーナ、ギターの響き、どこまでも澄んだ空を感じるのびやかな歌声。
そして時折盛り込まれるウィットに富んだトーク。新しい明日を創るエネルギーで会場が活気づいた。